「好きだから」ビスコを選んだ時
欲しいものを選ぶことは
「良い気分」のため!
ビスコを食べて喜ぶ未来を創った話
母親のもとに遊びに行き
一緒にスーパーで買い物したとき
ビスコのバター風味を見つけて
それを手にとったら
母親が
「そういうお菓子なら家にあるわよ」と
言ってきた
それでも私は
「これ好きだから食べたいの」と
ビスコを買った
母親の言う「そういう」とは
クリームサンドのクッキーのことであり
ビスコではない
これまでの自分なら
その代替品があると言われれば
「じゃあいいか」とビスコは買わなかった
ずっとそうしてきた
代替品があるなら
「好きなもの」ではなくて
それを選んで
またその「好きなもの」が欲しいまま
過ごしてきた
ビスコを選ばずに母親の言う
代替品を食べていたら
やっぱりまたビスコが恋しくて
代替品の大袋のクッキーなど
ちっとも嬉しくはないのだ
クリームサンドクッキーなら
なんでもいいわけではなくて
ビスコのバター風味が食べたかった
だから
いつもは妥協案を取り入れていたが
そのときに
ここでビスコを諦めたら
「良い気分」になれそうもないと
判断して
母親の代替案を採用しなかった
母親はいつもなら代替案が通るのに
「ああ、そう」と少し不満げだった
でも気にしない
私は 「好きなほう」を選べたんだ
ビスコのバター風味を食べれることに
「良い気分」だったんだ
ほんのささいなことだけど
成長で来たなと謎に嬉しかった話